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北欧浮き草暮らし

北欧浮き草暮らし

教室探し

私が住んでいた村(今でも現住所はここだが)は人口4000人程。
昨年秋まではノルウェー語教室は週2回夕方から、それも2時間しかなかった。

秋からの新学期でお昼のコースが新設されるとのことでそこへ行くことになった。
この教室に通うのには最初から不安があった。

まず、先生。
彼は前年まで中学校の先生だったのだが辞めてタクシー運転手になっていたのだ。この経歴が引っかかった。職業を差別する気はないが一般的に見て先生をやっていた人が辞めて同じ町でタクシー運転手になると言うのは極めて不可解である。この謎が溶けたのは知人の所へ行った時。彼女には中学生の息子がいて内部には詳しい、そして彼女はお喋りの噂好きだ。彼女の話によると、彼は女子生徒と肉○関係をもったらしい。どちらが誘ったのかわからないが(女子生徒が積極的だったという噂もある)彼はそれで先生を辞めさせられた。なのになんで移民のノルウェー語教室の先生になれるの?モラルはないのか?など思ったものだが、他の地域でもこういうケースはよくあるとのこと。特に田舎ではノルウェー語教室の先生のなり手がいないんでうってつけなんだろう。先生という名前は残るしお金ももらえるしね。

次に、生徒。
一クラスしかなかったのだがそこには20人近い生徒がいた。これははっきり言えば違反である。確か一クラスの生徒数は決められているはず。いくら先生がいないからとはいえやりすぎだ。そして、私以外はソマリア、アフガニスタンからの難民だった。

第1日
私は憂鬱な気持ちで教室へ向かった。そしてとても情けない思いをして帰ってくることになった。
実は表向き昼間のクラスはなかったのだがモ-タックという難民達が住んでいる避難所では前年度からすでにあったらしい。私だけが新参者だ。授業が始まったのだが皆ワイワイ話をしている。なんでも先生は一人一人と話をしていくらしい。残った生徒達は練習帳をやると言うよりお喋りに夢中。ノルウェー語で話すように言われたって皆話す訳がない。こんな授業で本当にノルウェー語が上手くなるのか?甚だ疑問である。私には紙にこの夏何したか書くように言って次の人へ。しかし書けるわけがない。とりあえず知ってる単語をつなげて書いてみたが後それを見て添削して終り。無視されたとしか思えなかった。なんていう進め方なんだろう?

本当に腹が立って相方に訴えた。
彼も憤りを覚え2人の連名で抗議文を出すことになった。
後日来た返事には謝りの言葉もなく話し合おうということが書いてあった。しかし、私はこの教室に期待がいだけない、話し合ったところで彼のクラスには行く気がないと言うことで強引にこの話は打ち切った。

そしてしばらく何もしない日が続いた。
時間だけが過ぎていって何もしないのも健康に悪い。
とりあえずノルウェー語勉強用のCD-ROMを買って一人で勉強してみる。
しかし本来怠け者で飽き性の私には独学は難しい。

そこで他の町で教室を探すことにした。

最初候補にあったのは、やはり大きな町のほうがいいだろうと言うことで家から160km離れた人口3万人の町(これでも大きいんです、ノルウェーでは)。通いは無理なのでアパートを借りるつもりでいた。最初担当の人はOKを出してくれていたのだが、話が大詰めになってきた時向うから無理だと断られた。理由はよくわからないが、私たちは家の村のスクールオフィスが難癖をつけたのだろうと思った。

ただそこの担当者が一つの可能性として、家の隣村の教室なら受け付けてくれるんじゃないかと言ってくれたので連絡をとってみた。

そこは我が家から35kmほど離れているが車で行けるし、バスもあるので通学に困らない。そしてすぐにOKが出た。

レベルチェックをするので来て下さいと言われて出かけていった。
先生は非常に明るくてお喋りだった。ここの教室は環境的にまだまだ問題があったが先生が一生懸命スクールオフィスに掛け合っていて言いなりになってないのが気に入った。

私はこの教室に通うことを許可されてやっとノルウェー語を勉強できる環境が整った。






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